こんにちは
出世魚です。
今回は、
- 屋上のある建物にお住まいの方
- 屋上のメンテナンス時期がそろそろな方
- 雨漏れが起こっている方
に必見の記事です。
この記事では
屋上防水の工事の種類についてお伝えします。
そもそも屋上防水っていったい何なの?
という方のためにご説明すると
学校やマンションの屋上などに見られる、
陸屋根に行われる防水工事です。
陸屋根とは勾配のついていない屋根のことです。
陸屋根と勾配のある屋根の画像を貼る。
一軒家のように屋根に傾斜がある建物は水が地面に流れていきますが
陸屋根は屋上を使用しようしたり、
機械の設置スペースを確保するために屋上に置き、メンテナンスのため
といった
歩行を目的とする陸屋根は
勾配がないため、水がその場で滞ります。
そのため、建物に雨水が染み込まないような
防水工事を行う必要があり、定期的にメンテナンスが必要です。
近年は
BBQや日光浴などプライベートスペースを充実・居住スペースを増やすことを目的に
屋上を陸屋根にする一軒家も増えています。
バルコニーの防水工事でも同じような考えができるため
そろそろうちの屋上(バルコニー)もメンテナンスの時期かな…
うちの建物は大丈夫かな…
という方はぜひご一読ください!
そもそもなぜ、防水層の改修が必要なのか?
防水層は、雨漏りから生活空間を守ってくれていますが
強い日差しや風雪を受け、長い間に傷みが出てきます。
そのため、防水層の状況を把握し、適切な時期に補修・改修することが大切です。
防水工事には、大きく分けると3種類の種類があります。
- シート防水
- 塗膜防水(ウレタン防水・FRP防水)
- アスファルト防水
この種類の中に、さらにそれぞれの特徴を持つ防水工法があります。
詳しくは後述で解説いたします。
防水層の耐用年数について
防水層の耐用年数は、
- 仕様や工法
- 断熱材の有無
- 保護材の有無
- 屋上の使用頻度
様々な要因により大きく異なります。
下記に示す年数は、あくまで目安となります。
実際の劣化状況は専門家による調査をご依頼ください。
鉄筋コンクリート造の建物の寿命は、60~65年程度といわれています。
そして、一般的に屋上防水は、経年により徐々に劣化が進むので、
新築時の仕様によるものが10~15年毎に改修工事を行なう必要があります。
防水層の寿命を考えると、
建物のライフサイクルの中で2~4回の防水改修をすることが必要となります。
- アスファルト防水押えコンクリート仕上げ:約17年
- アスファルト防水露出砂付き仕上げ:約13年
- 合成高分子系シート防水:約13年
- ウレタン塗膜防水:約10年
※建設省総合開発プロジェクト(昭和55年~59年)の「建設防水の耐久性向上技術」資料より引用。
改修の工法には、
既存の押さえコンクリートや防水層をすべて撤去する「撤去工法」と、
既存の上から改修する「被せ工法」に大きく2種類に分かれます。
前者の「撤去工法」は費用・工期などがかかりますが、
新築時と同程度に戻す事が可能です。
後者の「被せ工法は」既存の仕様・状況などにより下地調整が変わりますが、
「撤去工法」と比較し一般的には費用・工期及び撤去・廃材処分費がかからず、
最近の屋上防水改修工事では「被せ工法」が多く採用されています。
基本的には被せ工法で問題ないでしょう。
後述でも被せ工法を前提として施工方法を紹介いたします。
1.施工方法:シート防水
まずはシート防水について見て行きましょう。
シート防水とは、シート状の材料を用いて防水層を作る工法です。
シート防水には、塩ビシート防水(塩化ビニール樹脂製のシート)と
ゴムシート防水があります。
塩ビシート防水
塩ビシートは、オゾンや紫外線に強い耐候性を備える材質です。
施工の仕方は、工場で生産された均一なシートを
- 「接着(密着)工法」
- 「機械的固定工法」
で仕上げていきます。
「接着(密着)工法」
「接着(密着)工法」はシートの裏面に接着材を塗って貼り付けていく工法です。
「機械的固定工法」
「機械的固定工法」は、シートの下に緩衝剤などを敷きこみ、
ビスなどを用いて固定していく工法です。
おすすめは
「機械的固定工法」です。
理由は
既存の防水層裏に雨水が廻っている様な湿潤状況や、
最小限度の下地補修でも施工が可能なためです。
ゴムシート防水
合成ゴムを素材としたシートを接着剤などで張り付ける工法です。
特徴としましては
- ゴムのために伸縮性に優れている
- 温度によっての変化も少ないため場所を選ばない。
- 比較的安価である
です。
もともとは、
日本の防水工事の主流でもあったゴムシート防水ですが、
伸縮性などには優れているものの
下地の影響を受けやすく、またシート自体も薄いため
鳥がくちばしでついばんで破れてしまうなどの鳥獣被害が懸念されます。
手軽にできますが、塩ビシートと違い、
シート同士が一体化しないため、
防水強度は接着剤頼りになります。
複雑な場所への施工が難しく、耐用年数も短いため、
現在では塩ビシート防水が主流になっています。
特段こだわりが無ければ
シート防水は
塩ビシートの機械固定式を選択しましょう。
2.屋上防水の施工方法:塗膜防水(ウレタン、FRP)
塗膜防水工法とは、防水機能を持つ塗料を塗る工法です。
塗膜防水で用いられる塗料はいくつかありますが、
一般的なのは「ウレタン防水」と「FRP防水」です。
ウレタン防水とは
ウレタン防水は弾性のある防水膜で、
液状のウレタンを下地に塗膜することで、
防水層を作りだす工法です。
日本で行われている防水工事の中でも、
用いられている割合が高いのがウレタン防水です。
液体の塗料を用いるため
どのような形状の屋根にも用いることができます。
また、シート防水等とは異なり継ぎ目のない防水層を形成できます。
主流の工事のため、対応工事店が多い点も安心できるところです。
液状なので下地の形状に左右されず、
場所を問わず簡単で確実に施工できるのが大きなメリットです。
塗るだけなので、簡単で工期も短く、コストもかかりません。
施工時の天候には注意が必要であったり、
厚さが均一になりづらいなど問題もありますが、
欠点らしい欠点は少なく、最近では広く用いられている工法です。
定期的にメンテナンスを行うことで防水機能を維持し続けることができます。
FRP防水
FRPは
繊維強化プラスチック(Fiberglass Reinforced Plastics)の略称です。
ガラス繊維とポリエステル樹脂を合成することで、強度を高めたプラスチックです。
面が硬く強靭で、車が乗っても平気なほどで、様々な場所での施工に使用されています。
また、耐久性に優れているため、
歩行する機会の多い屋上や、ベランダ・バルコニーでの施工などには特に向いています。
一言でいうと「軽くて強い」が最大の特徴です!
ウレタン防水と同じく塗膜防水のため、
施工場所の形状に左右されることはありません。
厚さについては、ウレタン防水と違ってガラスマットの枚数で決まるため、
均一になりやすい利点があります。
塗料が固まるのが比較的早いので施工自体は進みますが、
他の防水工事とは違い液状の樹脂をガラスマットに塗る工程があるため、
全体としては、仕上がりまで時間はかかります。
またFRP防水に使用する材料は高価。
なので、工事価格は他の防水工事より高くなります。
また高い防水機能を持つものの、月日が経つと紫外線の影響などで
塗膜に亀裂が入ったり、塗装がはがれたりします。
対策として、定期的に表面のトップコートを塗り替え、
雨漏りを誘発しないような補修工事をしましょう。
3.屋上防水の施工方法:アスファルト防水
アスファルト防水
アスファルト防水とは、
アスファルトを含ませコーティングした、「ルーフィング」と呼ばれる
シート状のものを複数枚重ねて、防水層を形成する工法のことを言います。
このアスファルト防水、
主に2つの工法に分けられます。
1つ目は熱工法、2つ目はトーチ工法です。
熱工法は溶融窯で高温に熱したアスファルトを用いて
ルーフィングを密着させていく工法です。
このアスファルトは冷めると固まることから、
すぐに防水層を形成することができます。
トーチ工法は、アスファルトルーフィングの表面を
あぶり溶かしながら張り付けていく工法です。
このほかに、液状のアスファルトでアスファルトシートを貼り合わせていく
「冷工法」もあります。
これまでは熱工法が一般的な方法でした。
100年以上の長い歴史の中でノウハウも蓄積され、
信頼性が最も高い工法でもありますが、
300度近い高温でアスファルトを溶かしながらの施工になるので、
作業員が火傷をしやすかったり、アスファルトが融ける際に生じる煙や、
独特の臭気が近隣の迷惑になりやすい点などが問題視されているため、
トーチ工法や、常温工法(冷工法)といった工法がおすすめです。
防水工法別にメリット・デメリットをまとめました。
上記を簡単にまとめてみました。
防水工法 | メリット | デメリット |
---|---|---|
工法 | メリット | デメリット |
塩ビシート 機械的固定工法 | ・既存防水層が どんな防水層だったとしても 上から被せられる ・撤去作業・残材処理・新規の 下地作りや雨養生などの コストを低減できる (被せ工法の場合) ・雨などの気候に 影響されず施工が 出来るので工期短縮が可能 | ・ゴムシートより高価 ・施工している間は、 振動と騒音が発生する ・複雑な形状には 採用しにくい |
塩ビシート 接着工法 | ・ゴムシート防水に比べ 優れた耐久性がある ・施工しやすく、 軽量 ・燃えにくい性質 | ・ゴムシートより高価 ・複雑な形状には 採用しにくい |
ゴムシート 接着工法 | ・コストが安価 ・伸縮性も高く 耐候性にも優れる ・工事期間が短い | ・複雑な形状には 採用しにくい ・塩ビシートより 耐候性が劣る ・施工者による 精度のバラツキが生じる |
ウレタン防水密着工法 | ・コストが安い ・防水層が軽量で 建築物に負担をかけない ・複雑な部位への 使用が可能 | ・乾燥期間が各工程で 必要なため工期が掛かる ・塗膜の均一性が難しい。 ・定期的(5~8年毎に)に トップコートをする 必要がある |
FRP防水 | ・強度が大きく 軽量、耐水性、 耐熱性、耐久性に優れる ・均一な厚みで施工可能 ・すぐに乾くので工程が短い ・トップコートの バリエーションが豊富 | ・コストが高い ・臭いが出る ・湿気や化学反応で 硬化するため 外気温に左右され易い |
改質アスファルト防水 トーチ工法 | ・既存の アスファルト防水の 上にかぶせることができる ・溶かして接着するので、 防水性は冷工法より高い | ・アスファルトが 溶けたときの匂いがする ・火を使うため 室外機などがあると、 工事できなかったり、 できても、 焦げたり溶けたり、 燃え移ったりと危険 ・定期的(5~8年毎に)に トップコートをする 必要がある |
改質アスファルト防水 冷工法(ガムクールなど) | ・施工性が早く 工期が短くなる ・火を使わずに、 剥離紙をはがして 接着するので、 アスファルトが溶けたときの 匂いがしない ・火を使用しないため 室外機などが 設置されていても、 焦げたり溶けたりしない | ・単価が高い ・剥離紙をはがして 接着するので、 溶かした時よりも、 密着度が低い ・定期的(5~8年毎に)に トップコートをする 必要がある |
最後に
防水層の改修で、
もっとも慎重な判断をもとめられるのは下地処理の方法です。
比較的良好な状態で防水改修を行う場合には、
新設する防水層をかぶせて施工することが可能です。
それに対し、劣化が進行していた場合には、
防水層を全面撤去して下地作りを行う必要があります。
早めの手当は、トータルコストを抑えるだけではなく、
既存防水層を活かし建物への負担も軽減します。
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